歯周病・歯槽膿漏
「歯磨きのときに血が出る」
「歯ぐきが下がってきている」
「パパの口、くさい!と娘に言われる」
血が出ても痛みはないし、口のニオイは案外自分で気が付かないので、喉元過ぎると忘れてしまいます。
でもその症状は「歯周病」の特徴的なものです。
なので「別に痛くないし、関係ないな」と思ってしまいます。
そこが歯周病の怖いところなのです。
知っておくべき!歯周病のトリビア6つ
「歯周病って、たいしたことない」と思っているあなた。
痛くないので侮ってしまいますが、実はこんな悪さをするのです。
- 1.歯を失う原因の1位です
- 歯の病気は虫歯が代表的なものですが、歯が抜ける一番の原因は歯周病なのです。
歯の喪失の原因出典:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」
- 2.歯を支えている骨を溶かします
- 歯を支えている骨(歯槽骨)を毒素で溶かします。
なので、歯周病で歯が抜けてしまうのです。
- 3.日本人成人の8割以上がかかっている「生活習慣病」です
- 歯周病は2003年から糖尿病と同じ「生活習慣病」として位置づけられています。
- 4.歯周病菌は全身に回ります
- 口の中にいる歯周病菌は、食べ物と一緒に飲み込まれると体内に吸収されます。
もうひとつのルートとして、歯ぐきの毛細血管から入り込み、血液の中に入り、全身に回っていきます。
血管内の歯周病菌から動脈硬化になる物質が出て、血管内にもプラーク(粥状の脂肪性沈着物)を作ります。
プラークは歯垢という意味でも使われますが、血液の通り道にもできてしまいます。
結果、血の通り道が細くなってしまうのです。
- 5.サイレント・ディジーズ(静かな疾患)です
- 糖尿病などと同じように、無自覚なまま進みます。
自覚症状が出たときには、重症になっているという怖い病気です。
- 6.全身疾患の一因(下記参照)
- 血管を通じて全身に運ばれた歯周病菌は、いろいろなところで悪さをします。
アメリカでは、1990年代から下記の病気の一因になるという報告が数多くあります。- 糖尿病
- 嚥下性肺炎
- 敗血症
- 心内膜炎
- 早産
- 低体重児出産
- 認知症
- 狭心症
- 心筋梗塞
歯周病菌の影響は口の中でだけでは済まない、それが「歯周病の怖さ」です。
歯周病治療の手順
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STEP1まずは診断します(レントゲン撮影)
まず、レントゲン撮影をして、歯槽骨がどの程度失われているか?を確認します。
歯周ポケット(歯と歯茎の間の隙間)がどれくらい深いか?を測り、歯と歯ぐきの状態を調べます。
当院には、歯科用CTがあり、3Dでの詳細な診断が可能です。 -
STEP2プラークコントロール
歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を除去します。
ちなみに、プラーク1mgの中には約10億の細菌がいます。歯垢を専用の薬で染め出し、歯垢のついている場所をチェックし、専用の器具を使って取り除きます。
いい状態をキープするために、歯磨き指導もいたします。 -
STEP3メンテナンス
残念ながら、ご自身での歯磨きでは5割、デンタルフロスを使っても8割までの汚れしか落ちないといわれています。
さらに、一度ついた歯垢(プラーク)は唾液と血液と結合して、2~3日で歯石になってしまいます。歯石になってしまうと、残念ながら歯磨きでは取れません。
そんな歯石や汚れを、お口のクリーニングのプロ、国家資格を持つ「歯科衛生士」が専用器具を使用してメンテナンスします。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning:プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)と呼ばれるお手入れです。
これで、いい状態が保つことできます。おじいちゃんおばあちゃんになっても美味しいご飯やお酒がいただけたら楽しいと思いませんか?
自分の歯に勝る歯は、この世に存在しません。
入れ歯であっても、定期的にお手入れをすれば快適な食生活をおくれます。噛むことは、食べるためだけでなく、ほかにもいろいろな効果があるのです。
ボケ防止になったり、がんの予防になったり、唾液がいっぱい出ることでお口を清潔に保ったりします。
「ひみこのはがいーぜ」という標語にまとめられるほどのいいことがいっぱいあるのです。